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完結作は、次への序章だった。-NEWSアルバム「STORY」感想② ソロ曲-

お題「NEWSアルバム『STORY』レビュー」


※この記事はnoteにて、2020/03/19に公開したものです。お題に参加したく、こちらでも載せさせてください…!

※書いてる当時はクラウド未読、ツアーに想いを馳せている状態です。





こんにちは。
先日のCD TVで披露されたエスに脳内がかき混ざられっぱなしの私です。自我と超自我と無意識……


前回の続きでソロ曲と、最後に隠しトラックについて書きます。


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毎度のごとく、個人の感想ですので「ふ~ん」くらいの緩い気持ちで見てくださるとうれしいです。




戀 (増田貴久)

もう…なんか……しんどい……(最大の誉め言葉)


森の中にいるようなファンタジーな音色、恋しい気持ちがじんわりと広がっていく歌詞、そして増田さんの包むような声が合わさって、温かくも少し切なく感じる曲だなと思いました。

聴いているうちに私も(NEWS含めて)会いたい人が浮かんできて泣きそうになる。NHKとかで流れてそう。是非流してくれ。


作詞・作曲されたGReeeeNさんも仰っていた通り、一人夜道を歩きながらふと相手を戀しく思う姿が目に浮かびます。それは恋愛的な意味だけではなく、友達や家族など幅広い意味での「戀しい」という気持ちを感じました。


月の綺麗な夜だから
いとしいとしというこころ

月が綺麗ですね……………(限界)


この歌詞が美しさに溢れまくっていて、聴いてて愛しさで胸がいっぱいになりました。ふと見上げたら綺麗な月が浮かんでいて、そんな特別な夜に湧き上がるいとしいとしというこころだなんて、誰が言っているんだ。そうです増田貴久さんです。


あと、特にラストの増田さんの歌声が歌詞と合わさってとっても大好きで、

なんでもない僕から
どうやら なんでもなくない君へ
明日も逢いたい
涙はこうして溢れる

まるで泣いているようにも聴こえるし、遠くにいる「君」へ届いて欲しいという切実な願いのようにも聴こえてくる。


ところで増田さんの言う「君」って、すごく体温を感じます。目の前で言われたら多分泣いてしまう。


そして歌詞が更に切なくさせる。UR not aloneといい、なんでこんなにも心を包む言葉を生み出せるんだろう。ありがとうございます。


増田さんに戀しい気持ちを歌われるなんて贅沢すぎるなあ。こんな風に歌われて惚れない人なんているのか、いやいない(反語)




Narrative (加藤シゲアキ

加藤さんらしい、加藤さんっぽいと言えるほど私は加藤さんのことを知らないし、今後も知ることは出来ないと思っている。けど、これは”加藤さんにしか”創り出せない曲だなとひしひし感じました。


物語を生み出すまでのことを語っているように感じました。


閉鎖された空間の中孤独に歩いているイメージ。その中で浮遊している言葉を集めて少しずつ輪郭をはっきりとさせていく感覚。


創造し、構成し、紡いでいく中で葛藤やもどかしさに渦巻かれながらも作品として形付けられ、そしてその物語の1ページ目を開くまでのことを語っているよう。


ぽつりぽつりとアイディアを呟くように歌っているかと思えば、後半は何か(誰か?)に向かって叫ぶように歌っている。それは読んでくれる誰かなのか、自分自身へなのか。


前半→物語を断片的に書き出している。ぼんやりとした輪郭部分。


中盤→破片を拾って繋ぎ合わせる、構成している。その中での葛藤とか。時々加藤さんの言葉ではなく、物語の登場人物(歴代のソロ曲)からの言葉も混ざっているような。


終盤→書き出す、吐き出す、生み出す。


ここがサビっていうのがなく、全てがサビ。それは物語を創る上で全てが大切な要素だからってことなのかな。


一曲を通して、頭や心の中で思考がぐるぐると渦巻きつつ、それを外に放つ力強さに圧倒されました。生み出すのにはエネルギーがいるとつくづく痛感。


そしてページが開かれたら、またNarrativeとコーラスになりこの曲をまた繰り返す。頭に戻り、次の物語・新しい物語を創っていく。


どうして語ることを歌にしたのか。


私なりにですが、これからも続けていくという決意表明のようにも聴こえました。また、生みの苦しみはあるけど、それでも書いた物語は自分で終わらさなければいけないという覚悟も感じました。 


「あなたの風になりたい」

これは加藤さんから読者に対してとも受け取れるし、これまで加藤さんが創ってきた作品から加藤さんに向けた言葉のようにも見える。ここだけに鍵括弧がついているから、加藤さんじゃない誰かからの言葉に見えるなあ。



ヤドリギ…大地に根を張らず、木の上に寄生する。その木(宿り木)から栄養を吸収し、冬でも緑を保つ生命力の高い植物。


宿り木→加藤さんであり私たち一人一人のことを表しているのかな。


まずは加藤さんにヤドリギ(物語)が寄生し、栄養(知識や思考とか)を吸収する。

そしてその種は遠くへ飛び、また次の宿り木(私たち)へ寄生する。加藤さんから生まれた作品が読む人の中に宿ることを意味しているのかな。


けどヤドリギは地では生きられないから相手の木がないと死んでしまう。つまり物語は読み手がいないと死んでしまう。



加藤さんの小説って不思議とすらすら読めるし、Narrativeの歌詞もとても耳心地がすごく良いなと思いました。言葉の選び方が秀逸すぎる。


元々加藤さんの声がタイプってこともあるし、音もメロディーもすごく素敵で(なんとなく民族らしさを感じた)、Narrativeめちゃくちゃに好きなソロ曲です。ずっと聴いていたい。




STAY ALIVE  (小山慶一郎

イントロを聴いた瞬間、「これは好きなやつだ」と確信しました。


個人的に小山さんのこういったノリノリ系の、少しチャラついた音楽がとても好きです(当てはまる言葉が浮かばずすみません) なので、WORLDISTAのソロとか正直大好物です。無意識に体が踊ってしまう。


メロディーがすごく格好良くて、そこにまた力強い歌詞ががっちりはまっていて、とてもエネルギッシュに感じました。

考えながらじっくり聴く良さもあるけど、個人的にこの曲はいい意味でフラットに聴いて気持ちを高めてくれる。歩きながら聴いているとちょっといつもより強くなれそう。再生回数が何気に多いです。


サビが渋谷の109みを感じて聴いてて楽しい。109あまり行かないし特にここ数年は全く行ってないからただの偏見だけど。


小山さんの低音がとても心地よく響いて大好きなんですが、

光のないパレード
孤独の最果て
大切なもの
失うほど…

この部分、めっちゃ好き。エスの転調したところも好きだし、低く響く感じがたまらない。


バリバリ踊る小山さんが好きだから、是非コンサートでは踊って欲しいなあ。長い手足を使ってイケイケに決めて欲しい。私はスキニーを履く小山さんが大好物です。





プロポーズ (手越祐也

結婚した。してた。おめでとうございます。


これ、参加した結婚式で流れたら大号泣してしまう…それくらい愛に満ち溢れた楽曲…


手越くんの歌声には表情が宿っているなあと常々思っていたけど、今回特にそれを感じました。めちゃくちゃ優しく、愛おしそうに微笑みながら歌う姿が浮かぶ。


歌詞がすごく優しさに溢れていて、相手を大切にする想いが伝わってきてすごく尊い。一人称が「僕」なのもまたいい。


赤の他人同士だった二人が同じ名字になるって、改めて見るとすごいことだな。すごいしか言ってないな私。


二番サビ前の「付き合ってください!」にドキッとしてしまった。文字だけ見ると可愛く感じたからそうくると思いきや、すごく真っ直ぐだったもんで。きゅんとしてしまう。


愛し合っている二人の結婚という意味だけじゃなく、手越くんからファンへ向けた感謝や愛のメッセージソングのようにも聴こえた。めちゃくちゃ愛されてない?そりゃ聴いてて照れてしまうわけだよ。

ソロ曲の最後を飾るに相応しい一曲でした。






[Secret Track]

最初のSTORY感想を書いた後で知ったんですけど、初回盤にはシークレットトラックがあったんですね…!!聴いた瞬間興奮しまくった。


これは私のSTORY開封までの流れですが、

パソコンに曲を取り込もうとした時、「ソロも入っているから通常版を開けよう」

→以降はCDを開けずプレーヤーから曲を聴きまくる

→初回盤は映像を見るために一度開ける。曲は既に取り込んでいるからCDは未開封

なんというか、楽曲を聴く流れまで見透かされている気がしてならない…


見つけた瞬間鳥肌が立ったのと同時に、自分はまだまだ甘いと手の平に転がされたような気持ちになりました。でもそれが全く嫌ではなかったです。やっぱり精神がMなのかな。


「神は細部に宿る」とはまさにこのこと。隅々まで愛を詰め込んでくれるNEWSは天才か。


しかも、そのシークレットトラックがWORLDISTAオーラスで流れた映像の音源で感動しました。


さっきの流れの話に戻りますが、これを最後に聴くだろうと想定されてのこのチョイスなのかなと思うとやっぱり震える。アルバム曲からのソロ曲を聴いて最後の最後にこれまでの四部作のタイトルを告げて、これで本当に「おしまい」って感じがして、一つの大きな作品のページが閉じられました。


いやあ、すごいな。最高だな。




さ、今日もSTORYを開こう。


完結作は、次への序章だった。-NEWSアルバム「STORY」感想①-

お題「NEWSアルバム『STORY』レビュー」


※この記事はnoteにて、2020/03/10に公開したものです。お題に参加したく、こちらでも載せさせてください…!

※書いてる当時はクラウド未読、ツアーに想いを馳せている状態です。





心身ともに不安定で落ち着かない日が続いていますが如何お過ごしでしょうか。私は今自分が出来ることを第一に、ありがたいことに元気に過ごしています。


さて、NEWS NEWアルバム「STORY」発売おめでとうございます!


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フラゲしましたがその日は仕事等で聴くことが出来ず、発売日でもある四日の夕方に拝聴しました。



初めて聴く瞬間というのは、このたった一回しかないので。


牛乳を消費しようとカルボナーラうどんを作り、お風呂とトイレと洗面台を一気に掃除し、ゴミをまとめ、コーヒーを淹れて、テレビを消し、Bluetoothイヤホンとスマホを繋げて、歌詞カードを両手に、じっくりと堪能しました。



聴き終わった後、まるで一本の映画を見終わったかのような充実感に満ち溢れて、NEWSとスタッフ様が創った楽曲と四人の歌声が心から好きだと叫びたくなりました。とても素敵で最高のアルバムをありがとうございます。
一曲一曲はもちろん、このアルバムの流れもすごく良すぎる。


聴いて自分が抱いた感想を残しておこうと、以下一曲ずつ感想を述べます。ぶっちゃけ、テンションと勢いしかないです。あと長いです。すみません。


※あくまでも個人的な感想で捉え方ですので「へえ~」くらいのゆるい気持ちで見てくださるとうれしいです。どこかで「わかるなあ~」と思う部分があってもうれしいです。



1. STORY


KちゃんNEWSにて既に聴いていましたが、CD音源で改めて聴いてもめちゃくちゃ高揚する…!建国していた。

一気にその世界観へと連れて行ってくれるから、NEWSのアルバムの一曲目が毎回大好きです。今回もやっぱり大好きでした。そして所々に点として置かれているエモーショナルな歌詞がたまらない。

私は、気持ちが揺さぶられエモさを感じる作品が大好きだ。


サビに「NEVERLAND」「EPCOTIA」「WORLDISTA」と入っていたり、「2003」「2020」という数字とか…これまでのこと、そして三作を経て誕生したこの作品ってのがもうね、歴史を振り返って想いを馳せると心が震える。
といっても、私が好きになったのは約一年前だからまだまだ新人ですが。それでも色々なお話を聞いた上でアルバムを聴くと震えてしまう。


特に二番サビ前の増田さん

「夢見たあの場所へ」

ってところが好きで、歌詞と少し泣きそうにも聞こえる歌声に私が泣きそうになる。これを東京ドームで聴いたら泣いちゃうなあ。四人が並ぶ光景を早く目に焼き付けたいです。


STORY、四部作の完結って言葉が先行して全体的におセンチなアルバムなのかなと想像していて。もしも寂しくなったらどうしようと思っていたけど、いい意味でそれは裏切られた。

もちろんおセンチな部分もあるけど、全曲聴くととても前向きで”これから”を感じさせるアルバムでした。それがこの表題曲からビシビシと伝わってきた。 



2. SEVEN


めーーーーーっちゃくちゃノリノリな曲調で、ファンをとても参加させますやん…!
そしてイントロ部門、予想外にめちゃくちゃ好き部門で個人的一位です。


アルバムの楽曲と制作陣が発表されて、一番どういう系統なのか想像出来なかったのがSEVENでした。でも蓋を開けたらとてもスピード感があって、とにかく楽しい!ここから更にエンジンがかかっていくような曲。少し近未来的な風にも聴こえる。


歌詞を見ながら聴いていたけど、まあコール&レスポンスの多いこと多いこと。
コンサートでよくファンと一緒になって歌ったり踊ったりすることが多いというのは、この一年で身をもって学びましたので、記憶力を総動員させて頑張って覚えます。


だってこれ絶対楽しいですやん。大サビ前の小山さんの

「everybody say ho (ho) say yeah (yeah)」

なんて、コンサートでの風景が目に浮かぶ。最早脳内がコンサート会場だった。


加藤さんが「謎解き明かせ 4+7」を歌うのもピッタリすぎる。毎回思うけど、これから盛り上がるぞってサビの前に次へ繋げようと力強く歌うのが加藤さんってのがいい。


4+7 → 11枚目のアルバム
4 → 季節、NEWS、FOUR
7 → 曜日、ラッキーセブン、虹、音階、SEVEN


随所に散りばめられている「4」「7」「11」は何だろう。どうして4と7を足すんだろう。ローマ字表記には何か意味があるのかな。クラウドに何かヒントは載っている?っぽいので感想書き終えたらゆっくりと読みます。



3. SUPERSTAR


昨年秋頃から音楽番組でもよく披露されていて、満を持しての音源化。嬉しかったな。


この曲…初めて聴いた時からめちゃんこ好きなんだよね…ちょー好きすきぎ…サッカーソングってなんでみんな違うのに全部良いんだ…。


壮大なイントロから一度急降下して増田さんの丁寧で静かな入り、小山さんの階段を上るようなパート(個人的にすごく好きなメロディー)、加藤さんの扉にしっかりと手をかけるような力のある歌い方、そしてサビの手越くんの空へと羽ばたいているみたいな雄大な歌声。


サビに向かって徐々に上がっていくような流れは、まるで試合に挑む前の選手一人一人のこれまでのストーリーのようにも感じました。


増田さんのラップ、音楽番組が先だったからか音源だとマイルドさを感じてまた良かったです。「この荒野にもくれよ答えを」でなんであんな表情出せるんだ、天才か。
からの大サビ、手越くんから加藤さん・小山さん、そして全員という流れに勝手に感動している…四人とも上手すぎんか…。


本当にいい曲で、いつも通勤時に聴いては「今日も頑張ろう」と気合を入れてます。



4. We Never Gave Up -Interlude-


いきなりの加藤さん(わざとノイズ入り)は、心臓にいとわるし。


ボイスレコーダーで録音したかのような加藤さんの声が流れて、「挫折について」語る。
仰っていた通り、こちら側からは想像も出来ないくらいの挫折もたくさんされたと思う。それも色んな種類の挫折を。


また脱退については、私は当時テレビで見て知ったレベルの人間なので何も言えないけれど、「寂しい」と言う素直な言葉は恐らく月日が経った今だからこそ言えるのかなと、勝手ながらそう受け止めました。


挫折にしろ脱退にしろ、そう言ったことに対し言葉で想いを話すことが出来る加藤さんが少しうらやましく思いました。



5. 何度でも


これもシゲ部で一度聴きましたが、その時よりもずっっっっっっと大好きになりました。かなりかなりお気に入りの一曲。これはInterlude含めて聴くと余計に刺さるものがあるなあ。


とにかくメロディと歌詞がもう大好きすぎる。あまりにも良すぎて好きしか言えない。切なくもなっちゃうけど、しっかりと地に足をつけて進む前向きさも感じる。イメージですが深夜になる手前くらいの薄暗いバーでかかってて欲しい(?)例えるならにゅす恋加藤さん本編の行きつけのカフェ(?)


作詞・作曲された向井太一さんからNEWSへの愛をひしひしと感じ、思わず涙ぐみました。それはこんなにもNEWSが愛されているんだってことへの嬉しさと同時に、歌詞を自分自身に重ねたからだと思います。


何度も言うけど歌詞が良くて!そしてそれを歌い上げるNEWSが良すぎる!


中でも

「広がる世界は理想じゃないけど どんな先でもみんながいる」

という歌詞にグッときました。心に刻みたい歌詞。


生きていれば理想との相違にぶち当たるときもあるけど、NEWSの立場から勝手に想像すればどんな未来でもメンバーやファンはいてくれるという強い信頼関係、またこちら側からしてみても、NEWSだったり大切な人はいてくれるんだと安心を感じました。


繰り返し歌われている「何度でも」というフレーズも、NEWSが自分自身に言い聞かせているようにも聞こえるし、こっち側へも応援してくれているようにも聞こえます。


メロディーも美しく透き通る四人の高音がとにかく心地良くて、特に初っ端の加藤さんの耳の裏をなぞるような色っぽい高音と、増田さんの「なによりも誰よりも いつだってそばにいてくれた」という柔らかく包むような高音が最高。耳が最高に幸せ。


様々な困難に阻まれても、しっかりと受け入れて前へと進むNEWSに向けた向井さんからのメッセージソング。楽曲から溢れる愛に胸がいっぱいになりました。テレビで披露されたのは見たけど(幻想的でとても素敵だった)ライブでどんな風に歌うんだろう。



6. What is Love? -Interlude-


真実の愛とは、という問いかけに答えるのが小山さんなのがもう……愛の人…。


小山さんは与える愛もとても大きいけど、謙遜せず愛されているということに自信を持っているところが素敵だなと思う。自信を持つって難しいのに、愛を信じていらっしゃる。 


それは小山さんが周りへたくさん愛情を持っているからなんだろうなと、聞いててなんとなく思いました。小山さんを見ていると、人にやさしくありたいと改めて思う。



7. STAY WITH ME


片想いをしている人のざわめきを静かに歌った、ゆったりとしたバラード。


優しい音色と言葉の羅列、そしてNEWSそれぞれの歌声と合わさった時のハーモニーの美しさにため息が出てしまう…なんとなく、にゅす恋で主人公に好意を抱き始めた時のことも連想する。


恋をすると自分が自分じゃないようでそんな姿に戸惑うけど、その戸惑いさえも愛おしいというように聴こえて心臓がきゅっとしました。


また、それぞれ担当するパートの歌詞もピッタリだなと思って、例えば手越くんの

「割と僕はなんでもこなせる器用なはずなんだけどさ 君の前じゃきっと不器用な奴だね」

もう聴くたびに か、可愛い~~~……と悶絶する。


そのあとの加藤さんのパートの

「この広い宇宙で出会った運命なんて信じちゃいなかったけど 君がいる昨日と今日は違う」

この部分も加藤さんのイメージと合っているなと思いました。あれ、にゅす恋かな?


加藤さんと言えば、二番のサビ前の小山さんとのハモりも耳心地がめちゃくちゃ良い。アルバム全編通して言えるけど、小山さんの低音が耳の心地いいところを撫でる。


サビの「Just Stay…Stay with me」の願うように囁く歌い方がとても好きです。あ~~~、本当にいい意味でのため息しか出てこない…大人の初恋っていいね…それを歌い上げるNEWSっていいね。知ってる。


男女どちらの目線で聴いても素敵な楽曲だなと思いました。眠る前に聴いて幸福感に満ち溢れて寝たい曲。eillさん、ありがとうございました。



8. Perfect Lover


インビジブルダンジョン、Digital Love、Dragonismが好きなのですが、この3曲と同じ制作陣だということを知り、「この曲の音、好きだろうな」と予想していました。


そして予想通り、最初から好きでしたが聴けば聴くほど深みにはまるような、個人的沼曲でした。(音楽のジャンルでこういうのなんて言うのか分からないけど)リズミカルな電子音がすごく好きすぎる…。


歌詞、すごくラブラブ過ぎない?


曲調というかリズムがすごくおしゃれな分、余計に歌詞が可愛く感じてしまうんですが、二人だけの世界過ぎない?照れる。


STAY WITH MEがしっとりとした大人の初恋ならば、こっちは付き合う一歩手前のきゅるんきゅるんする大人のキュートな恋愛(??)
すごいイチャイチャを見せつけられている感じになるし、疑似体験しているような気持ちにもなる。罪が深いんじゃ。


増田さんの「もう…ほっとけない」と、サビの「本音じゃ夢でも逢いたい」がもう…甘すぎんか…聴くたびに照れる…早く付き合っちゃえよ…。
余談ですが一度増田さんが夢に出てきて、それもまあまあ恥ずかしい内容だったので起きた瞬間パニックになったことがあります。


ザビの「Lover Lover Lover Lover」のテンポ感が好き。っていうか、サビ全体のテンポが好き。もっというなら全ての音が好きすぎる。歩きながら聴いているとちょっと楽しくなっちゃう。


この楽曲終わりにNEWSへのクエスチョンが入っているけど、どうして曲の中に入れたんだろう。一つのトラックとして独立させなかった意味はなにかあるのかな。


誕生日を聞かれて生年月日から答える加藤さんや、好きな色で他の三人が黒と答える中堂々と「金!」と答える手越くんなど、返答や言い方ににこにこしました。


【好きなタイプ】

加藤さん「品のある人(便利な言葉だよ!!)(しかし私もよくそう答えている)」


小山さん「えー、優しい人がいいなあ(はーと)(はーとって文字が見えた)」


増田さん「好きなタイプ?ないしょ(罪深い最高そのままでいてください)」


手越くん「笑顔が可愛い子(わかるーーーーーーーー!!そんな手越くんの笑顔が好きだ!!)」



9. Love Story


手越くんの「笑顔が可愛い子」からのこの曲はずるすぎる。


今までは独立した曲として聴いていましたが、「STAY WITH ME」「Perfect Lover」と続いてこの曲を聴くと、ついに付き合った…!!と感動してしまいました。前後の曲で結構印象って変わるもんなんですね。


久しぶりに聴くと、ど直球に歌詞が甘くて愛に満ち溢れているなあ。歌声と歌詞と、全てから溶かされる。「また明日ねって言ったのに離れられない」と手を振る手越くんのあの笑顔、国レベルでなにがなんでも守ってもらいたい。そりゃ手振り返しちゃうよ…。



……兄ちゃん、にゅす恋、なんで終わってしまうん……………。



10. Commitment-Interlude-


増田さんの言葉を聞くたびに、自分の考えの浅さに恥ずかしくなります。


こだわりって言葉は好きじゃない、しいて言えば「責任」と表現する増田さん。
クリエイターとし最高に格好良すぎるし、だから衣装もNEWSのコンサートに対しても安心と信頼しかないんだと思いました。


エンタメは全員に必要ってわけではないからこそ、求めてくれる方には責任と愛を持っている増田さんがめちゃくちゃに格好良い。


ところで、他三人のはインタビュー形式で終わるのに、なんで増田さんのは次の曲に繋げるような終わり方だったんだろう。まるで全て仕組まれていたかのようにも思えてくる。
急に声色を変えてくるもんだからびっくりしました。心臓に悪い。


「アイドルがアイを奪い取る、超リアルな熱」



11. エス


………エス……………………………(限界)


そもそも、作詞・作曲のAKIRAさんの時点で期待しまくってたんだよ。CASINO DRIVE、FIGHTERS.COM、Wonder等、よく聴く曲にはAKIRAさんのお名前がそこにあった。


そして某テレビ誌にて「”エス”はサディスティックのエス」「加藤さんの台詞」という文字を見て、はいこれは好きと確信を得ていました。


いや~~~~………まんまと好きだ……予想の斜め上をいってとても好きだ……


緩急や強弱、あっちこっちに暴れるリズムと、ちょっとアジア系の民族っぽい音と、強くて攻め攻めな歌詞が脳内をかき混ぜてくれる……跪いてひれ伏してしまう……こんなん好きじゃん……勝手なイメージですが、下北の古着屋で流れてそう。


あれこれ考える暇さえ与えず曲はどんどん進み、サビが終わったかと思えば一気に転調するし、追い付くのに必死で振り回され、追い付いたかと思えば「かき混ぜたい」…エスじゃ…(私の中の大悟がそう言ってる)


増田さんのがちがちのボコボコにイケイケなラップ、手越くんのどこまでも伸びまくる高音、小山さんの支えるような地面すれすれを這うような低音、からの~~~~~っっっ、加藤さん……台詞…………ああああ、あああああ……。


台詞の言い方が思っていたよりも無機質で、こっちに全然興味なさそうに言う(ように私は聞こえた)からヒヤッッッと感じたけど、「かき混ぜたいんだ」で一気に湿度を上げるのはおやめなさいよ!!!!本当に奥が見たいんか!!!!
いやでも興味無さげに言われるのも、いいな……(精神がM)


かき混ぜるなんて料理番組でしか聞いたことのない台詞で、素通りしてきたワードなのに、こんなにもぞわぞわさせる言葉だったんだな。色々連想してしまう。日本語って凄い。


サディスティック→加虐的。苦痛を与えること。
本来は愛を「与える」アイドルが、愛を「奪う」。それは他への見向きを許さないとでも言われているみたいにも感じる。しかもその前まであんなに恋愛ソング歌っていたのに…こわ…。


愛だけじゃなく、I(自我)って意味もあるのかな。というのもフロイトの「自我とエス」というタイトルを見つけ、偶然とは言え運命じみたものを感じてしまった。


脳が小学生レベルなので全てを理解して書くことは難しいのですが、自我(意識)を騎手、エス(無意識)を馬と喩えているのが分かりやすかった。

騎手(自我)は馬(エス)を制御する特権はあるけど、馬(エス)の向かいたい方向には動かざるを得ない。自我はエスの中にある欲求をどうにか代替して満たそうとしている。

I(自我)を奪うエス…つまり、人間の無意識にある欲求が大爆発した曲ってことなんですかね。うええええええ(色々と限界)


とりあえず、”無意識のうちに”この曲を聴いてしまいます。どんな演出になるのか、怖いけど楽しみすぎる。きっと脳裏から離れらんないに違いない。



12. トップガン 


何度聴いてもイントロを聴いただけで一気にテンションがあがる!ダンダダダンダン!
シングルとして発売された後もよく聴いていていました。アップテンポな曲大好きすぎる。


白と赤の衣装も格好良いし、癖になる歌詞と頭に残るサビも好きだし、早くダンダダダンダンの振りをしたいのでまたコンサートで聴きたい。


音源では増田さんのラップはマイルドに聴こえるけど(それはそれでまたとても良い)歌番組の時のドドドイケな「I’m a butterfly」を堪能したくて仕方がない。これは最早バタフライ中毒。


からの、小山さんのラップもちょーーーー格好良い。ラップしたと思ったらその後すぐに下ハモにうつるし、よくよく考えたらすごいな。難しいじゃないですか。



13. Prime Time of My Life-Interlude-


私は手越くんの嘘偽りなく語ってくれる言葉が好きだ。誤魔化たっていい部分もあるだろうに、まどろっこしい言い方はしないでドキドキするくらいに直球で投げてくれる言葉に、何度もハッとさせられた。


「ファンを幸せにする」

「ファンと喜びを共有したい」


だからこの言葉も信じることができる。それはコンサートで見せる笑顔があまりにも眩しくて、楽しいと表情がそう物語っていたから。

あの笑顔はやられてしまうよ〜…幸せだよ〜…。



14. 君の言葉に笑みを


募集されていた音声がここで使われるとは…!不思議な感覚でした。


タイトル通り、送った方の夢やストーリーを聴いて笑みを浮かべる四人が目に浮かびます。美しいタイトルだな、加藤さんに声に出してほしい日本語シリーズ。


かっこ内はもしかしてコンサートで歌ったりするのかな。合唱しているかのように聴こえました。過去三部作を思い出させるフレーズに、ここでもまた点と点が線になるのかと感動。


つくづくNEWSの曲って、こちらに寄り添ってくれるというか。


知ってるよ、見ているよ、と言ってもらえているみたいで嬉しくなります。今回の音声も「みんなの声届いているよ」というメッセージなのかもしれない。向き合ってくださってありがとうございます。たくさんあったんだろうなあ。私の子供の頃の夢はビデオ屋さんでした(レンタルビデオ店員になりたかった)


ラストの増田さんの声がとても好き。どこまでも包み込むような温かいお声だなといつも思う。



15. クローバー


インタビューを拝読して、静かなバラード系でくるのかなと勝手に思っていましたが、土台には懐かしのメロディーが流れて、聴くだけで元気が湧いてくるような楽曲でした。想像以上に素敵で大好きです。


増田さんのラップを交えながらの、遠足前のわくわくを彷彿させるような歌声はトップバッターに相応しくて。さっきも書きましたが増田さんの角ばっていない柔らかな歌声がとても好き。


歌詞でいうと、特に前半の

「辛くなるなら、聞かなくていい」

って言葉が歌声と同じくらい優しさが詰まっていてグッときました。


聞いてほしくて歌っている彼らが、辛くなるなら聞かなくていいと選択肢を与えてくれるなんて…そりゃ「チョコレートの板のボコボコ 分けるための優しさじゃなく 作るときにできたのを優しさと捉えたんだ」と歌うわけだよ(私はこの歌詞が大好きです)


途中台詞のように歌うのもすごく好きすぎる。必死に叫んでいるみたいで目が熱くなる。

おやつ代もこっちの好きにさせてくれるしね。バナナはおやつに入りますか。



加藤さんのパートでは、うっかり泣きました。辛いことがあったとかじゃないんですけど。


どうして加藤さんってあんなにも人の心の弱い部分、暗い部分にそっと寄り添ってくれるんだろう。加藤さんを好きになり、【アイドル=キラキラとしていてパワーをくれる人】だけではないということを知りました。どこまでも泥臭くて人間味溢れる方だと思います。


話がずれましたが、まるで語り掛けるかのような歌い方でラジオを聴いている気分になりました。加藤さんの声は歌声だけじゃなくて語るときの声も地声も耳に残って好きです。


最初にも書いた通りぽろぽろ泣いたのですが、その部分が

「わかるよ。でも僕に何かを伝えようとした時点であなたはきっと変わっている」

です。


「聞いて欲しい」なんて自己満だと思っていましたが、それでも「伝えたい」と思い行動したことを見てくれる・その思いを汲み取ってくださることに涙が止まりませんでした。わかるよって寄り添ってくれるところがまたいいなあ。書いててまた泣けてきちゃう。


語り口調から一転しサビでは優しくも力強く歌っていて、「そのぬくもりを忘れないで」という言葉からは離れていても傍にいるというメッセージが伝わってきました。こんな状況だからこそ余計に染みたのかもしれません。


人間味溢れる方だけど、様々な輝きを放ちパワーを与えてくれる。そうだ、やっぱり加藤さんは「アイドル」だ。




歌詞を見ると、小山さんパートはたくさんこちら側に尋ねてくれる。

「どうして形を求めるの?」「そんな声が聞こえない?」「僕の愛、あったかい?」

自分の意見を押し付けるんじゃなく、どこまでも相手の言葉を聞こうとする、愛情がいっぱいの小山さんらしい歌詞だと思いました。


同じ目線にしゃがみこんで囁くかのような歌声がAメロ(でいいのかな)にぴったり過ぎる。声から、言葉から、全部をつかって愛情を惜しげもなく伝えてくれる小山さんは最高にあったかい…全体的にとても体温を感じるパートだなと思いました。知れば知るほど愛が真っ直ぐな方だ、小山さん。




文字数だけ見れば一番少ないけど、歌詞だけじゃなく文字と文字の間にある音程や声色、総合して「歌」からメッセージを届けてくれるのが手越くんらしい。

歌詞も伝えたいことをシンプルに綴っていて、それはまるでいつでも直球でポジティブな手越くんそのものを表しているように見えました。


私が応援し始めたのは去年からだけど、歌詞の中に散りばめられているデビュー曲のフレーズから、NEWSとして始まった時から根っこの部分は変わっていないよという風にも捉えられました。全面的からファンへの感謝と幸せを歌ってくれる手越くんに、たくさんの幸せがやってきますように。



NEWSって一人一人考え方も表現方法もバラバラで、個が強い人達なのに合わせるとこんなにも素敵なものが出来上がるのかと、クローバーを聴いて改めて感動しました。ソロのパワーも強いし、そんな四人が集まった時のパワーは一+一が二以上のものがあると思います。


クローバーの花言葉は「私を思って」


苦しいとき、辛いときは私(NEWS)を思ってという優しいメッセージソングに胸が熱くなりました。



16. NEW STORY


爽やかだけどちょっと切なくも感じるメロディー。タイトル通り、新しい物語への幕開けに相応しい楽曲。


乗り越えるのではなく、過去をしっかりと抱えて前に進む四人への門出の曲のようにも聴こえました。


純粋に、単純に、とても素敵な曲でした。


ここが良かったとかというより、歌詞もメロディーも歌声も全てが同じ方向を向いていて、だからストンと真っ直ぐに届いたのかなと思います。アルバムを通して最後のこの曲を聴くともう感情がえらいこっちゃ。涙腺大崩壊。感動超大作。


自分と書いて、「きみ」と呼ぶ。


彼らはアイドルである前に一人の人間で(もちろん制作の方も)、私達と同じように悩むし傷つくこともたくさんあると思います。


それでもアイドルとして力いっぱい歌ってくださるからこそ、曲がすっと心に染み渡るのかもしれない。背中をさすって優しく押してくれるこの曲を歌ってくれて、感謝しかありません。届けてくれて、ありがとう。


もう本当に、どこがいいっていうか全部が良いからとりあえず頭から聞いてくれとしか言えない…NEWSのこれからにますます期待値が上がる、エンドロールだけど新しい幕開けのような一曲でした。





一万文字くらいになってしまった…。ここまで目を通してくださった方には感謝しかありません。長い文章で大変失礼しました。けど、熱と愛はこめたつもりです。

ソロについても感想を書きたいのですが(やっぱり全部良曲)、一旦ここで区切ります。



早くコンサートで笑顔の彼らが観たい。歌を聴きたい。パフォーマンスが観たい。あの幸せな異空間で思いっきり楽しみたい。


今はこの最高のアルバムを聴きまくって、ゆっくりと待っています。



今のところ、よくリピートする曲は「SEVEN」「何度でも」「Perfect Lover」「エス」です。


「オルタネート(種)を与えられて、自己を育てる」-オルタネート第一話 感想

加藤シゲアキ 「オルタネート」

 

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加藤さんが小説新潮にて連載を開始されました。改めておめでとうございます。

 

かなりの力作だというお言葉を聞き、ならば私も自分自身読んだ率直な感想を残しておきたいと思い、感想文を書いてみることにしました。

あとは、インプットとアウトプットの練習という意味も込めて、続けられたら…いいな…(基本が三日坊主)

 

 

 

まずは読む前に、小説の概要からイメージした内容。

 

〇3人の高校生が主軸となり、架空のSNSサービス「オルタネート」を題材にした学園もの。青春群像劇。恋愛要素もあり。

 

→高校生という義務教育を終えつつも成人という意味ではまだ子供という、どっちつかずな時期の感情の揺らぎや悩み、葛藤を見れる?

 

→今では身近になったSNSの存在意義について(イメージはTwitter)。いくらでも自分を偽ることができる。本来の自分とは何かを見つけていくのか。

 

→学生のフレッシュで甘酸っぱいような恋愛模様。人間関係が複雑に絡み合うのか。

 

 

 

 

 

以降、読み終えてからの感想。

 

オルタネートの特徴

 

〇高校生限定のSNSアプリ。登録するには学生証の写真認証が必要であったり、それなりに厳重なつくり。

〇高校入学~卒業までの3年間。但し、中退した場合は権利が剥奪される。

〇登録は自由。

〇日記や写真/動画の投稿、高校生同士のマッチングが可能。

 

イメージはmixi(懐かしい)、婚活アプリ、Instagramを混ぜた感じかな。

かなり精密なマッチングというのも、今は検索サイトで自分が閲覧したサイトを元にAIがおすすめのニュースを探してくるようになったし、近い将来あり得そう。

 

オルタネートをきっかけに対話が生まれることもあれば、オルタネートを頼りに対話が減ってしまいそうでもある。

この話の中では登録する人が多数らしいし、登録は強制ではないけれど、する/しないで交友関係に変化はあるんだろうな。

 

 

 

 

 

三人の主人公

 

〇新見蓉(ニイミ イルル)

・高校三年生。調理部部長。実家が和食屋

・オルタネートは登録していない。

 

 

今回一番スポットが当たっていたこともあり、また自分に一番近い考えを持つ彼女の悩みに共感を覚えることが多かった。だからこそ、一番苦しかった。

 

チヂミを作るシーンなんか特に彼女を表しているようで、生地は同じでそこからのアレンジ(個性)は人それぞれ自由なところが良いと分かっていても、結局自分はこうだという理想を押し付けちゃうところは読んでいてしんどくなった。自分を客観視出来るからこそ自己嫌悪してしまう。わかるなあ。

 

この場面で、とうもろこしの種を植えて三つのうち一番いい芽だけ残し、あとは切るというのを思い出した。

蓉ちゃんはそれが冷徹だと感じていたけど、彼女自身が部活内でそういう風になっている気がする。でもワンポーションでは落ちてしまったから、切られた芽側の気持ちもきっと痛いほど分かっているんだと思う。

 

 

またダイキくんの為に振舞ったカルボナーラも、簡単に作るのではなく手間をかけてつくるところが彼女らしく感じた。

手を抜いたりせず、一から丁寧に作る。調理部でも食材から育てて、調理をする。蓉ちゃんは、きっと真面目過ぎるのかもしれない。背中をさすってあげたくなるし、もしかしたら今後、そうしてくれるのがダイキくんなのかも。

 

料理をする描写がリアルで、本当にカルボナーラが食べたくなった。普段から料理をされている加藤さんだからこそ、作る過程が丁寧で想像しやすい。

また、加藤さんの風景や音の描写がとても好きで、やっぱり加藤さんの文から香りや温度を感じられてとても素敵だと改めて思った。

 

 

一番人間臭く、もやもやと悩む蓉ちゃんはこれからどうオルタネートと関わっていくんだろう。ダイキくんとのこれからの関係性も楽しみ。恋をしたことがないという蓉ちゃんは、ダイキくんに対しての感情が変化していくのか。

 

気付けば恋人ではなく、ビジネスパートナーとなっていたランディと別れたダイキくんも切ない。そして手間暇かけて作ったカルボナーラがおいしいというダイキくんはとても優しくて繊細な人なんだと思った。だって目に優しい緑色の髪の毛をしてくるんだもんね。

 

 

 

〇伴凪津(バン ナヅ)

・高校一年生。

・以前よりオルタネートに憧れを抱き、入学してすぐに登録。

 

 

今のところ一番気になっていて、今後どうなるのかわくわくするのが凪津ちゃん。

 

最初は三人の中でも特にオルタネートへ憧れる、今どきの女子高生なのかなと感じた。

 

けど、読み進めているうちに現実主義で(フロウした人は多いけど所謂繋がっただけとか)、想像以上にオルタネートを信仰している。

 

そしてドライに見えて結構ロマンチストなのかもしれない。

精密なAIが導いた相手といつかは出会えるんじゃないかと期待しているところが、危ういけれど可愛くも見えた。第三者目線になると、どうしても個人情報をそこまで伝えて大丈夫なのかと心配してしまうけど。

 

データに裏付けされたもの以外信用しないと言い聞かせ、自分の判断ではなくオルタネートの判断でマッチングしてほしい凪津ちゃん。

過去に自分の判断でミスがあったり、悔やんだことがあったのかな。それか感情のように正確さが曖昧なものに怖がっているのか。「自分だけのオルタネートを育てる」という言葉が印象的だった。

 

 

話が進むにつれて、AIでマッチングした相手も出てくるのかな。いざ対面したとき心が揺れたり、恋に落ちるのか。今のところロボのようにデータしか信じていない彼女が感情任せになるところとか見てみたい。

 

 

凪津ちゃんといえば最初のシーンが印象に残っていて。オルタネートをノートにびっしりと書いて、電子辞書でオルタネートを調べてはその意味を眺める行為に懐かしさを覚えた。

私も初めて知った単語や好きな言葉を調べては眺めて、謎の優越感に浸っていたな。この言葉を私は知っているんだ、という一種の自己満足だったのかもしれない。ゲームの影響で青二才とか(三國無双)、昔見た舞台で伴天連とか(マグダラなマリア)調べてた気がする。

 

 

 

 

 

 

〇楤丘尚志(タラオカ ナオシ)

 

・高校二年生。大阪在住。

・オルタネートに登録していたが、中退したことにより権利が剥奪される。

 

 

三人の中ではまだ謎が多い人物。

大阪から弾丸でやってきて、昔の知人に会うべく学校へ忍び込む。しかも怪しまれないようちゃんと制服と大学生用に私服を揃えて。アクティブだけど用意周到な人だなあ。なんだかここだけ、青春少年漫画のようだった。

 

昔の友人?でもある豊くんとの繋がりは恐らくギターかな。ギターを聴かせてほしいと言っていたし、何らかの事情で豊くんはギターをやめてしまったのか。その事情に尚志くんは関係しているのか。

 

高校を中退した理由や豊くんとの過去はこれから見えてくるだろうけど、豊くんの反応を見ると険悪というほどでもなさそう。

ただ尚志くんの方が弟のオルタネートを借りてまで探し当てて、まだ高校生ながら東京まで会いに行くのだから、相当強い気持ちがあるのかもしれない。そしてそれが中退したことと関係があるのかもしれない。

 

過去への執着なのか、後悔があるのか。今はまだ活発な少年というイメージがあるから、なかなかそう言った負の方向と結びつかないけれども。

 

登場人物はみんな同じ学校なのかと思っていたから、蓉ちゃん、凪津ちゃんときて全く違ったところにもう一人の主人公がいて面白かった。関西弁だし、一人変則的な感じだった。

 

 

 

 

 

 

 

冒頭のF1種がこのお話の行く末と繋がっているように思えた。

 

生産者(世間)が平等に種を与え受粉して(オルタネートを与えて)どのようなF1種(彼女たち)になっていくのか。

与えられた種―オルタネートを通じて、他人との交わりからどういった自己が芽生えるんだろう。

 

今はまだ点と点が薄ーく繋がっている状態だけど、これから色濃くなっていくのかと思うと、とても楽しみです。

三人が今後絡んでいくのかは分からないけど(あえて絡まないままというのもいいなあ)ここ繋がっていたんだ!みたいな伏線回収とか好きなので。

 

 

 

 

こうして月に一度、加藤さんの作品に触れられることがとても嬉しくて、次の回までの間に色々と考えるのも面白くて、改めて連載という有難みを実感しています。

 

加藤さん曰く、既にほとんど書き終えている段階とのことなので、これからどう展開していくのかわくわくしながら読んでいこうと思います。

 

 

 


(感想ってこんな感じでいいもんなのかな)



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